ALSの当事者と
ALSの介護家族は
一番近く
一番お互いへの理解者であるけれど
どうしても超えられない溝があるのも
また事実です
ここを見ないフリをしたり
超えているフリをすると
その溝は深く大きくなります
そうなる前に
気付けて良かった思い出があります
2021年の秋
だんだんと左腕が動きにくくなり
右手にも痺れを感じ
左足ももつれるようになり
ALSの進行をイヤでも意識するようになった頃
私は一人で出来ないことは
手伝うから遠慮なく言ってほしいと
伝えていましたが
夫の方では
ゆくゆくは全面的に迷惑をかけるのだから
今はなるべく自分でしたいと
思っていたようでした
左手が使えないので
左耳の耳掃除と
右手の爪切りは私がしていましたが
それ以外は
何度も「手伝う」と言っても
夫は「大丈夫 まだ出来る」と言って
ききませんでした
お風呂はかなり不自由だと思ったのですが
唯一一人でゆっくり出来る場所でもあったので
私も無理強いはしませんでした
それでも
進行を一番実感するのは夫で
日に日に身体に不自由を感じるたびに
夫の心は不安定になり
鬱が出るようになりました
私や子供たちの何でもない言葉が
苛立ちや怒り 不安に繋がるようで
情緒不安定な夫の顔色を伺うようになり
娘が仕事から帰宅する前に
「今日はパパの機嫌大丈夫❓」
とLINEしてくるようになった時
このままでは在宅介護で
夫のお世話をするのは難しいと思い
夫と話をすることにしました
夫が比較的
落ち着いていた日
私は夫に切り出しました
続きます